イヌ
イヌ(犬、狗、学名:Canis lupus familiaris、ラテン語名:canis、英名:dog、domestic dog)は、食肉目イヌ科イヌ属に分類される哺乳類の一種である。属名 Canis、種小名 lupus はラテン語でそれぞれ「犬」「種名 familiaris はラテン語で、「家庭に属する」といった意味である。広義には、イヌ科動物全般を指すこともある(後述)。
古くからヒトに猟犬や番犬、牧羊犬、軍用犬、警察犬などとして使役されたほか、愛玩動物(ペット)として飼われている。また品種改良が盛んに行われ、多様な動画
名称・定義
古来、日本ではヤマイヌ(狼)に対して「イエイヌ」(家犬)と言っていた。英語名 domestic dog は、伝統的な学名 C. familiaris(家族の-犬)を英訳にしたもので、日本では domestic dog の訳語として古くから既にあったイエイヌの語をあてるようになった。
また、広義の「イヌ」は広くイヌ科に属する動物(イエイヌ、オオカミ、コヨーテ、ジャッカル、キツネ、タヌキ、ヤブイヌ、リカオンなど)の総称でもあるが、日本ではこの意味での言葉の用法、用例は一般的ではなく欧文翻訳の際は、イヌ科動物を表す dogs や canine の訳語として当てられるときも「イヌ類」などとしてイエイヌと別の呼び方をするのが普通である。以下ではイヌ(ヤマイヌなどを除くイエイヌ)について解説する。
起源
イエイヌは人間の手によって改良されて生まれたものである。最も古くに家畜化されたと考えられる動物であり、現代でもイエネコと並んで代表的なペットまたはコンパニオンアニマルとして、広く飼育されて、親しまれている。比較されるネコと違って、種の性格として人間にとって人懐っこいイメージがある。
野生化したものを野犬といい、日本語ではあたかも標準和名であるかのように片仮名で「ヤケン」と表記されることも多いが、ヤケンとはノライヌの一部で鳥獣保護法において狩猟対象を規定する用語である。いずれにせよヒトに飼われているか否かという違いであって、分類学上は種や亜種としてイエイヌとは区別されない。
2024年地点、ジャパンケネルクラブ(JKC)では、国際畜犬連盟(FCI)が公認する359犬種を公認し、そのうち209犬種を登録してスタンダードを定めている。 なお、非公認犬種を含めると約700 – 800の犬種がいるとされている[1]。 また、頭数については世界全体では4億匹の犬がいると見積もられている。血液型は8種類と犬種の数に比べれば少ないがヒトよりも多い。